Ⅰ. CSRに対する基本的考え

| 目次 |Ⅰ. CSRに対する基本的考え |Ⅱ. 障害者施設の置かれた状況 |Ⅲ 企業と施設の関係 |Ⅳ. 具体的展開 |Ⅴ. 最後に |

1. 理想の企業像と社会貢献

現在CSRは会社全体の経営を包含した意味に使われるのが一般化してきており、ANNUAL REPORTをCSR REPORTとして発表する企業も増えています。理想的な企業像は企業のステークホルダーに対し社会的責任(CSR)を果たしつつ、ブランド力を付けた企業であると考えています。一部にはCSRを狭義の社会貢献と捉えている向きもありますが、あくまで会社全体の社会的責任とすべきと考えます。
近頃、その1アイテムである社会貢献(地域、福祉NPO活動)活動にも重点を置き運営する企業が増大しています。しかしその社会貢献をどのような位置づけにするか各社手探り、迷いの面も見受けられます。
社会貢献活動に関し※BITCの ピーター・デービス副理事長は次のように述べています。 

「単なる寄付など慈善事業の考え方ではいけない。取り組みを通じ、自社製品の販売力やブランド力が上がり、有能な人材の獲得にもつながる投資活動の一つ、という戦略性が必要である。」(朝日新聞05年1月28日(金)朝刊)
※ 英国ビジネス・イン・ザ・コミュニティ・会員750社・英国で20年以上CSRの推進活動をしている団体 非常に参考になる指針であると考えています。


2. (株)金谷ホテルベーカリーの現状

大企業と異なり中小企業である弊社は資源の「人・物・金」のあらゆる面において脆弱であり、またステークホルダーに対して十分任務を果たしている状況にはありません。営利活動の業務を果たすのに精一杯で福祉を含めた非営利活動を行う余裕がないのが実情です。現時点で弊社はこの理想に程遠いところにありますが、いつの日かそう在りたいという理想を目指して歩んでいます。


3. (株)金谷ホテルベーカリーが社会貢献活動を行う理由

現在弊社は
「社会福祉法人むくどり」(02年より)―東京都板橋区
   対象は知的障害者
   障害福祉事業・自立訓練・デイサービスセンター
   パン工房・喫茶イクトス
   外販は(株)恒仁が展開
「NPO法人ふれ愛の森」(05年より)―栃木県日光市
   対象は精神障害者
   就労継続支援B型
   ふれ愛の森パン工房・るぽ スペースわたすげの里

に対し社会貢献(福祉)活動を行っています。

営利を目的とする企業の立場、考えからすれば、経済性の面から見ても、生産性が低くなりがちな福祉関係に関与することを避ける企業も多くあると思います。中小企業の弊社が苦しい経営環境の中、福祉活動を行っていることに疑問をもたれ、本業に専念するようにとのご忠告をうけることもあります。一部には逆に弊社が福祉を食い物にして利益を上げていると邪推しているむきもあります。

しかし弊社内に障害者施設(以降施設と省略)の関係者、民生委員も在籍していていることもあり、社会の一員としてできる範囲で少しでも会社の営利活動以外の福祉の領域で、CSRの形で社会、地域、のため役に立ちたい気持ちを持っています。いわゆる弱小会社の「貧者の一灯」の気持ちです。

一方、社員 個人個人が、この活動を通じ福祉に関心を持ち、幅広く奥深い人間になってもらいたいと望んでいます。大企業、中小企業とかいった規模の大小、また経営的に余裕のあるなしではなく「志」をもってすれば、営利活動以外で少しでも社会のため役に立つことができると信じています。

経営に余裕があるときはCSR(社会貢献)活動はするが、余裕がなくなると止めてしまうということでは、日本社会にCSR(社会貢献)活動は根付かないと思われます。個人のボランティア活動や企業のCSR(社会貢献)活動が「貧者の一灯」として無数の個人、団体が継続的に動き出したときに、日本社会は「病んだ社会」から「健康な社会」「バリアフリーな社会」 「ノーマライゼーションの社会」へゆるやかに転換していくと考えております。

CSR(社会貢献)活動は、そのための即効薬ではありませんが、漢方薬のようにじっくりと確実に会社を変え地域社会を変えていくと考えております。


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